表題番号:2024C-292 日付:2025/02/04
研究課題高校教育における進路形成に関する研究-高校生調査データの二次分析を中心に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学総合研究センター 講師 遠藤 健
研究成果概要
本研究は、高校教育における進路形成に関する実態を明らかにすることを目的とし、高校生調査データの二次分析を中心に進めた。
 まず、中等教育に関する文献調査を行い、高校教育の歴史的変遷、制度の変化、近年の進路指導の動向を整理した。これにより、高校教育における進路形成の枠組みを理解するとともに、進路指導の変遷がどのような社会的要因と関連しているかを考察した。特に、進学率の変化や私学・公立の役割の違い、部活動の影響などに関する議論が重要であることが明らかになった。
 次に、2015年に実施した高校生調査データの二次分析を行った。この分析では、進路希望とその背景について詳細に検討し、学校種別(進学校、進路多様校など)の違いが進路選択にどのように影響しているかを分析した。特に、部活動への参加が学業や進路決定に及ぼす影響についても掘り下げ、進学希望との関連性について考察を行った。
 これら、二次分析の結果をもとに、研究会を開催した。この研究会では、進路多様校の役割や部活動の進路形成への影響、中高一貫校や私立高校の進路指導の特徴について議論を行った。特に、部活動が進学希望やキャリア形成に与える影響について意見交換がなされた。また、塾や予備校の影響についても議論し、公立高校において塾を利用する割合が地域によって異なる点も指摘、議論された。
 本研究を通じて、高校生の進路形成に関する多様な要因を提示した。特に、学校タイプ別による進路決定の差異や、部活動の影響など、進路形成に関する実証的知見を蓄積できた。今後は、より最新のデータを用いた追加分析や、進路形成に影響を与える家庭環境や地域格差の視点からの研究も必要であると考えられる。