表題番号:2024C-279 日付:2025/08/25
研究課題準ホップ代数のハイゼンベルグダブルの五角関係式について
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 本庄高等学院 教諭 太田 洋平
(連携研究者) 東京工業大学 准教授 鈴木 咲衣
研究成果概要

2024年度は Heisenberg double が,Hopf algebroid 構造を持つことと,Lie-Rinehart代数の普遍包絡環が Hopf algebroid 構造を持つことの関係に着目して研究を行った.結果として,sl_2 borel 部分代数 b_+ に標準的な Lie 双代数構造を入れたものから作られる Heisenberg double H(U_h(b_+)) の場合にこのHopf algebroid 構造 を具体的に書き下すことができた.またあるLie-Rinehart 代数 Hb+ に対してその普遍包絡環がH(U_h(b+)) の古典極限となることを示した.この結果を富山大学での研究集会で発表した.具体的な内容は以下のとおりである. Lie-Rinehart 代数に対して,Lie 代数と同様にその普遍包絡環が定義される.Lie 代数の普遍包絡環はHopf 代数となるが,Lie-Rinehart 代数の普遍包絡環は Hopf algebroid 構造を持つことが知られている.Lie 双代数gに対して,その普遍包絡環の量子化のDrinfel'd double gから構成されるLie 双代数Dg の普遍包絡環の量子化と同型である.この構成のHeisenberg double における類似として,sl_2borel 部分代数b_+に対して,Lie-Rinehart 代数Hb_+を構成し,その普遍包絡環の量子化がb_+の普遍包絡環の量子化のHeisenberg double と同型となることを示した.この結果が一般のLie 双代数に拡張可能であるかどうかが次の課題である.