表題番号:2024C-266 日付:2024/12/31
研究課題中学におけるICTを活用した理科実験の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 加藤 陽一郎
研究成果概要
 中学理科の観察実験において、ICT機器での撮影やスケッチを行い、レポートでは画像の解析を加え、生徒による質の向上した最適なレポート作成法を探究した。具体的には、透明骨格標本を用いて、カエルの背骨を観察する生徒実験において実践し、教育効果の上昇を確認した。この実験の新規性はICTを利用した点のほかに、セキツイ動物の共通点'背骨'を扱う、9つの椎骨を特定する、1人1個の生徒実験というところにもある。中学の理科で、2時間連続の授業で実施した。作業手順は以下の通りである。アフリカツメガエルの透明骨格標本を実体顕微鏡で観察する。カエルの背骨をタブレット型PCの外部カメラで撮影する。そのまま拡大せずに、もしくは実体顕微鏡のレンズ越しに撮影する。PCのパワーポイントで背骨の写真を挿入した後、解剖図鑑を参考に第1椎骨~第9椎骨を特定し編集する。オンラインにてPDFでレポート提出する。
 次のような研究成果と教育効果が得られた。①ICT機器のカメラと編集機能を活用することで、授業内で一連の観察作業とレポート作成の完了が可能になった。②9つの椎骨を特定する作業を加えることで、背骨の観察が単調にならず、探究心を持ってレポート作成に臨ませることができた。③実施例の少ない背骨の観察実験を行う機会が作れた。④セキツイ動物の分類でよく紹介される透明骨格標本を生徒実験として活用できた。