表題番号:2024C-225
日付:2025/05/23
研究課題周辺視野における運動視機能と注意状態との関連について
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 准教授 | 百瀬 桂子 |
- 研究成果概要
周辺視野における運動検出閾を、一人称視点のシューティング(FPS)ゲーム習慣が異なる対象で比較した。FPSゲームにおいて広い視野を持つことは、敵の存在を迅速に察知する上で重要であり、熟練プレイヤーは周辺視における運動視機能が向上すると考えられる。本研究では、FPSゲーム習慣と経験年数に関する質問紙調査によりゲーム習慣有群と無群に分けた参加者に対し、周辺視でのコヒーレントモーション課題を実施した。刺激は傍中心窩(視角5°)、有効視野の境界部(15°)、有効視野外(22°)に提示し、それぞれの運動コヒーレント閾値と反応時間を測定した。周辺視課題とするために固視状態を維持する中心視課題も実施した。FPSゲーム習慣の有群の運動コヒーレント閾値は、傍中心窩、有効視野の境界部で有意に低く、有効視野外では無群との違いは見られなかった。反応時間は、偏心度によらずFPS ゲーム習慣の有群が有意に短かった。広視野で視覚的注意維持が必要となるFPSゲームの習慣は、視野全体の時間処理を向上させるが、運動検出感度の向上は有効視野内に限定されることが確認された。