表題番号:2024C-224
日付:2025/04/03
研究課題トラフィックヒエラルキーによる道路上の歩行者と自転車の安全性にかかる研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 教授 | 加藤 麻樹 |
- 研究成果概要
混合交通環境において万が一交通事故が発生した場合、相対的な強弱関係により、いわゆる交通弱者が大きな被害を受ける可能性が高い。そのため、トラフィックヒエラルキーに示されるような、交通上の優先関係を明確にすることが求められている。わが国の道路交通法第38条では、信号機のない横断歩道において歩行者(自転車を含む)を優先することが義務付けられており、日本自動車連盟が2016年から継続して実施している調査によれば、2024年時点で約半数の自動車が歩行者を優先する運転行動を示すまでに改善が進んでいる。一方で、歩行者や自転車などの交通弱者自身も、自らの安全を確保するための行動を取ることが求められる。2024年度の特定課題研究では、近年利用者が増加しているスポーツバイクに着目し、所沢キャンパス周辺の自転車走行可能な道路において、実地走行による定性的な調査を実施した。所沢市の狭山湖および東京都東大和市と接する多摩湖周辺の道路では自転車利用環境がある程度整備されており、道路環境に起因する大きな課題は少ないものの、スポーツバイク等を安全に利用するためには、利用者に対する適切なレクチャーと訓練が必要であることが明らかとなった。一般的に流通しているシティバイクとスポーツバイクでは感覚に大きな違いがあるため、その乖離を埋めるための知識の提供が不可欠である。スポーツバイク販売の専門家からは特にブレーキ操作,停止動作は安全確保に必要な技術であるが,利用者は十分に機能を発揮できていない場合がある。したがって、十分な知識と技術を習得可能とするカリキュラムの構築が期待される。