表題番号:2024C-214 日付:2025/03/25
研究課題非アルコール性脂肪肝炎発症におけるオートファジー制御因子WDR6の役割
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 千葉 卓哉
研究成果概要
我々が同定した新規のインスリン関連遺伝子であるWDR6は、肝臓においてインスリン抵抗性時にde novoの脂肪酸合成に関わることが知られている。そこで、マウスをもちいてNASHを誘導する飼料であるCDAHFDを投与し、同時に肝臓特異的にWDR6をsiRNAによってノックダウンさせることでNASHの病態進行がどのように変化するかを解析した。その結果、WDR6 siRNA投与によって脂肪蓄積、炎症反応、fibrosisがいずれも抑制されることが示唆された。血液中のALT濃度も低下したことから、WDR6 siRNAはCDAHFDによって誘導される肝臓障害に対して保護作用があることが示唆された。これには脂肪合成の抑制と脂肪燃焼の活性化の両方が関与していることが示唆された。今後は、さらに詳細にそのメカニズムを解析するためWDR6ノックアウト細胞を作成し、オートファジーフラックス解析を行い。オートファジーとの関連を解析する予定である。