表題番号:2024C-213 日付:2025/04/02
研究課題カレハ島の発生過程の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 榊原 伸一
研究成果概要
報酬系回路は、中脳の腹側被蓋野(VTA)から線条体の腹側部の側坐核(NAc)に投射するドーパミン神経系を中⼼とするが、NAc以外にも眼窩前頭⽪質や辺縁系の扁桃体や海⾺へも投射する。カレハ島は哺乳類の腹側線条体に島状に存在するGABA作動性ニューロンの神経核であり、NAcと共にドーパミン受容体D3を強く発現する。カレハ島は報酬系回路の強化や⾏動嗜癖に関わると予想されるがその機能についての研究が進んでいない。本研究では、マウスを⽤いてカレハ島を構成するニューロンが脳形成のどのステージで産⽣されるのか明らかにする。妊娠12-18⽇⽬の各胎仔期および出⽣後のICRマウスにBrdUを腹腔投与し、成⻑後に脳組織のBrdU陽性細胞を免疫染⾊により観察した結果、胎生E16.5 においてBrdU 陽性細胞が最も多く観察された。また、カレハ島の種類(ICj、ICjM)によって陽性細胞の割合に若干の差異が確認され、ICjM はICj と比較してE14.5での発生が少なく、E16.5とE18.5でのニューロン産生が多いと考えられる。