表題番号:2024C-205
日付:2025/03/29
研究課題人をあつめ・つなぐコミュニティ・ミュージアムの建築計画・利用シミュレーション研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 人間科学学術院 人間科学部 | 教授 | 佐野 友紀 |
- 研究成果概要
- 一般的な美術館・博物館は本来、作品の保管・研究などを一つの目的として社会のインフラとして位置付けられてきたが、効率化、利用者数などの観点から予算が削られ、存在意義が問われている。社会の情報化に伴い、来客数の減少、リアルを見せることにも変化がおとづれている。近年、所蔵品を持たないアートセンターなども登場し、展示機能のみから、地域コミュニティの活動拠点としての機能が求められ、いくつかの実践事例も見られる。これらの施設では、展示に加えて、コミュニティ活動を行う場所として「コミュニティ・ミュージアム」が現れている。本研究では、ミュージアムの先進事例が海外に多いことから、スペインバルセロナにおいて歴史的建築物を活用したミュージアムについて現地での設置状況、利用実態調査を行なった。また、国内においても複数の施設をおとづれ、施設の設置実態と関係者へのインタビュー、利用者等の行動観察調査を行った。具体な一例として、茨城県取手市にある商業施設内に設置されたアートセンターを調査し、また、学芸員補助として参加することにより実態を把握した。併せて、新しい取り組みである東京藝術大学取手キャンパスにおける収蔵庫を観覧するツアーの設置状況とあり方を調査した。関連する施設では動物の世話をアート活動として捉え、その実践と鑑賞を介したコミュニティ実践なども調査した。これらの成果をもとに、利用者行動・動線分析の視点から新たなコミュニティ・ミュージアムの計画の検討を行なった。