表題番号:2024C-198
日付:2025/04/04
研究課題持続可能社会における生産・品質マネジメントに関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 教授 | 中島 健一 |
- 研究成果概要
- 国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」に対して,全世界において取組みが行われている.例えば,SDGs における目標 12 は「つくる責任つかう責任」であり,経済成長と持続可能な開発を達成するためには,従来の効率性に加えて社会・環境への配慮を考慮したモノづくりシステムの構築や,大量生産・大量消費から循環型システム導入に向けた人々の意識・行動の変革が求められており,そのための新たな生産システムや品質マネジメントシステムの構築が重要となっている.また,これまで経済的評価尺度をもとにグローバル化してきたサプライチェーンは,今日の感染症等によるパンデミック,自然災害,地政学的リスク等に直面することとなり,グローバルサプライチェーンシステムの再構築が重要となっている.例えば,Covid-19によるマスク等の輸入製品の未入荷や,半導体部品不足等による工場停止などの多くの問題が発生しており,我が国経済にとっては,サプライチェーンの持続可能性は,喫緊の解決すべき課題であるといえる.このような背景のもと,本研究では我が国産業の国際競争力となってきた生産管理・品質管理といったモノづくりにおける管理手法,及びサプライチェーンにおける管理技術と情報技術を融合したシステムマネジメントの視点から,持続可能社会を構築するための生産・品質システム手法に関する重要要因の検討を行った.また,我が国の現場において創造され,世界的に成功した管理システムとして知られるジャストインタイム(JIT: Just-In-Time)生産システムや総合的品質管理(TQM: Total Quality Management)を中心に,その理論的背景や実務で実践されてきた人材育成の観点にも着目し,持続性のあるヒト・モノ・カネ・情報資源の有効活用等についての検討も行った.