表題番号:2024C-190
日付:2025/04/04
研究課題多民族・多言語国家のサハラ以南アフリカにおける言語教育の検討
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 准教授 | 利根川 佳子 |
- 研究成果概要
今年度は、本研究費を使用し、エチオピア首都に比較的近いオロミア州(首都から約30㎞)の公立小学校2校にて現地調査を実施した。具体的には、学校長および生徒の保護者に対して、小学校の教授言語についてのインタビュー調査を実施した。さらに、教育省の行政官、オロミア州教育局の行政官にも教授言語に関する政策や行政側の意見について聞き取りを行った。
2校の対象校のうち1校は、学校のクラスをアムハラ語学級とオロモ語学級の二つに分け、それぞれの言語を教授言語として教育を実施していた。他方で、もう1校は、オロミア州の実務言語であるオロモ語のみを教授言語として教育が実施されていた。特にオロモ語のみを教授言語として教育を実施している学校では、オロモ語を母語としない子どもたちが多く在籍していた。そのような中で、両校の保護者は、学校選択の際に教授言語をどのぐらい重視しているのか(どの言語をどのような理由で選択しているのか、していないのか)といった観点や、言語に関連した学校側の対応や課題などの聞き取りを行った。
本研究では、エチオピア以外のアフリカの国の状況についても調査することを予定していたが、今回はそこまでに至らなかった。今後はエチオピア国内さらにはサハラ以南アフリカ他国へ調査地域を拡大し、研究をより深めていきたい。
研究成果としては、学会発表(2024年7月)、論文(2025年1月出版)、書籍(2025年2月出版)の1章において、エチオピアの言語政策について執筆した。今後も調査結果を分析し、その内容をもとに論文執筆および学会発表を行う予定である。