表題番号:2024C-173
日付:2025/04/02
研究課題非天然型アミノ酸およびその類縁体をもちいた物質生産法の開発
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 助教 | 大竹 和正 |
- 研究成果概要
- 申請者は、生物のもつタンパク質合成システムである翻訳系を利用して非天然型アミノ酸をタンパク質中へと部位特異的に導入する研究を以前より推進している。様々な非天然型アミノ酸の導入が可能となっているが、その中にはフォトクロスリンカーと呼ばれる光反応性アミノ酸や、アミノ酸のα-アミノ基が水酸基へと置き換わった誘導体であるα-ヒドロキシ酸も含まれている。α-ヒドロキシ酸がタンパク質中へと導入されるとその部位の主鎖の結合がペプチド結合からエステル結合に置き換わり、アルカリ処理により特異的に切断可能となる。東京医科歯科大学横山准教授らとの共同研究により、フォトクロスリンカーとα-ヒドロキシ酸の性質を利用してタンパク質-タンパク質間の相互作用部位決定法の開発を行った。本法は昨年報告したProtein Science誌に掲載された主論文の他にも請われてメソッド論文(3)を執筆するなど高い注目を受けている。また抗体中にpH反応性を持つ非天然型アミノ酸を導入し、pH応答性改変が可能なことを示し、共同筆頭著者としてScientific Reports誌に報告した(1)。その他にも、無細胞タンパク質合成系を利用してDOPAを導入した論文についても誌上報告を行った(2)。