表題番号:2024C-169 日付:2025/09/15
研究課題超高周波帯RFフィルタ実現を目指したエピタキシャル圧電薄膜の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 柳谷 隆彦
研究成果概要
単結晶圧電薄膜は、多結晶薄膜に比べ耐電力性やQ値が高いという特徴を持つことが期待される。しかし、SMR (Solidly Mounted Resonator)においては、通常、音響ブラッグ反射器が多結晶もしくはアモルファスで構成されるため、その上に積層される圧電層の単結晶化は困難である。本研究では、単結晶薄膜の代表的な作製方法の1つであるエピタキシャル成長技術を用いることで、音響ブラッグ反射器自体を基板からエピタキシャル成長させた。さらに、下部電極および圧電層をエピタキシャル成長させ、すべての層がエピタキシャル薄膜から成るSMRの作製を試みた。

RFマグネトロンスパッタによりサファイア単結晶基板上にTi/Pt, ZnO/Pt音響ブラッグ反射器およびScAlN, MgZnO圧電層を形成した。それらのXRD極点図の六回対称およびTEM電子回折像のスポットから、サファイア単結晶基板上に形成したすべての層のエピタキシャル成長を確認した。また、ネットワークアナライザを用いて実測インピーダンスを測定し、エピタキシャルSMRの実効的電気機械結合係数 を算出した結果、13.6%の高い値を得た。