表題番号:2024C-163 日付:2025/03/13
研究課題吸血蚊唾液中の血液凝固阻害タンパク質の機能発現メカニズムに関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 小出 隆規
研究成果概要

吸血蚊の唾液腺から分泌されるタンパク質aegyptinは、コラーゲン3重らせん部分に結合することにより、von Willebrand因子(VWF)がコラーゲンと結合することで惹起される血液凝固を阻害すると報告されている。しかし、aegyptinが結合するコラーゲン上のアミノ酸配列についてはあまり知見がなかった。本研究では、当研究室で開発した、3重らせんペプチドのランダムライブラリから酵母2-hybrid法を用いて選択する手法を用いて、aegyptinと結合するアミノ酸配列の探索を行った。

 その結果、複数の新規アミノ酸配列が同定され、その中にはアルギニン残基が濃縮される傾向が見られた。Aegyptinの結合特異性は、比較的ブロードなものであり、天然のコラーゲン3重らせん上には複数の結合部位が存在するものと考察された。また、aegyptinタンパク質中のC末端球状ドメインがコラーゲンとの結合に必要十分であることも明らかになった。