表題番号:2024C-127 日付:2025/04/02
研究課題ビジネスアナリティクスのための新たな機械学習活用モデル
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 後藤 正幸
(連携研究者) 早稲田大学 助手 山極 綾子
(連携研究者) 早稲田大学 助手 阪井 優太
研究成果概要

 本研究では,購買履歴データや画像データ,評価レビューデータなどを最大限に活用し,ビジネス施策に有用となる知識を得るためのビジネスアナリティクスを対象とし,高度に発展した機械学習モデルの新たな活用モデルについて検討を行った。申請者らの研究グループでは,すでに様々な観点からビジネスデータ分析のための技術を研究し,ビジネス施策最適化のための分析手法の開発を行っているが,過去の大規模データに基づく統計モデルや機械学習モデルがしばしば環境の変化や消費者の多様性に追従できないことがある。例えば,中古商品の将来の価格は,市場環境や社会情勢にも影響を受け,過去の大規模データを学習した機械学習モデルでは正確な予測が困難である場合が多い。また,ECサイトに掲載されている商品画像データに対して消費者が抱く印象は,消費者間の感性によって差異が大きく,かつ曖昧なものである。大きな成功を納めた従来の人工知能モデルは,客観的に正解データが付与できる問題に対しては強力なツールとなっているが,このような正解が曖昧な問題における活用技術としては研究の余地がある。

 本研究では,このようなビジネスで必要とされる大規模データ活用でしばしば生じる問題に対して切り込み,現実場面で有用な機械学習モデルを開発し,実データやシミュレーション実験を通じてその有効性を検証した。具体的には,大規模言語モデルを駆使した新たなデータ分析モデルの提案,消費者の感性品質を評価するための機械学習モデルの構築,効果の高いビジネス施策を探索するための機械学習アルゴリズムの提案など,いくつかの観点から研究を展開し,様々な成果を得ることができた。企業との様々な共同研究を通じて,いくつかの提案モデルについては,実データを用いた検証の結果も行った。

 本研究の成果は,すでに一部は国内学会や国際会議で発表済みであり,順次,投稿論文として投稿も進める予定である。