表題番号:2024C-125 日付:2025/03/31
研究課題近代建築の3D記録調査とリビングヘリテージとしての活用方法の模索に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 助手 池田 理哲
研究成果概要

本研究では、菊竹清訓設計の東光園および萩市民館を対象として、3Dスキャナ等を用いた3D調査を行い3Dデータとしてアーカイブズを行った。その中で、単なる解体前の最後の記録としての調査のみならずリビングヘリテージとして活用していく際に必要な情報としての3D記録のあり方を検討し、今後の研究および設計、ないしは文化財保護の目的のための3Dデータとして利用できることを念頭に置いた。3Dデータに正確な寸法情報、敷地情報、ファサードの質感、色等のこれまでのアーカイブズは一つの情報として残すことの難しかった建築の主要情報を残すことを目的とした3D調査の手法論の一助を得ることができた。本研究で調査した対象はいずれも今後の存続が約束された建築では無いため、解体の危機に瀕する可能性が大いにあり、その点においても今後の研究や設計に活かすために重要なデータ取得を行えたものと考えている。既往研究からもこれらの建築の3D調査が行われた記録はなく、本調査によって初めて周辺敷地・建築内観・外観の精密な調査が遂行された。今後も継続して主には近現代建築の3D調査を行いながら、その取得したデータの活用方法や、データを活かしたリビングヘリテージとしてのあり方を調査していきたい。