表題番号:2024C-101
日付:2024/04/02
研究課題乾式紡績法にて成形した高強度CNT繊維に対する後処理の最適化
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 教授 | 川田 宏之 |
- 研究成果概要
本研究課題では、1)溶融紡績法によるCNT糸の成形、2)分子動力学を用いた無撚CNT糸の強度発現機構の解明ついて研究を行った。今回の申請課題では、信州大と共同して超酸であるクロロスルフォン酸をCNTの分散液として、CNT糸の溶融紡糸を試みた。結果的には、溶融紡績法にてCNT紡績糸を成形することに成功し、約1GPaを有する連続したCNT糸を得ることができた。さらに、無撚CNTの強度発現機構に関しては、CNT表面に官能基を配置したモデルを作成してJ-OCTAによるMD計算を行い、CNT引抜き解析ならびにCNTバンドル引張解析を行った。具体的にはCNT/樹脂間の相互作用に関して、1)樹脂の有無、2)CNT間の間隔、3)樹脂含有量について考察した。その結果、樹脂の導入に伴うCNT間隔の縮小がCNT糸の強度に影響を及ぼすメカニズムが明らかとなり、CNT間の滑りによる強度発現機構を明らかにした。