表題番号:2024C-090
日付:2025/02/12
研究課題実質株主開示の法制化と資本市場の透明性確保および上場会社・株主間の対話の円滑化
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 商学学術院 商学部 | 教授 | 中村 信男 |
- 研究成果概要
- 本研究は、近時の上場会社における株主構成の変化を踏まえ重要な立法課題の一つに数えられている実質株主開示制度の法制化について、この面で先行する欧州法制を参考に、資本市場の透明性の確保と上場会社・株主間の対話の円滑化の観点から、在るべき制度内容を探ることを目的とするものである。この課題は、来る会社法改正に盛り込まれることが想定され学界・実務会の大きな関心を呼んでいることもあり、2024年12月に日本私法学会より、2025年10月開催の同学会大会において当該テーマでのワークショップの実施を依頼され、これを受諾した。今年度は、2025年度における当該ワークショップのほか国際シンポジウム等の準備を主に行った。また、本研究が取り扱うテーマは、名目的な株主の背後にあって会社支配に影響を及ぼす実質株主の素性を明らかにすることを通じ、株主の会社支配に関わる権利の透明化・適正化を実現することにも関連するところ、法律上は取締役に選任されていないにもかかわらず事実上の取締役として会社経営に関与し影響を及ぼす支配株主についても類似の問題を指摘することができる。こうした問題意識から、今年度は、事実上の取締役(de facto director)の会社に対する責任をテーマとする英文論文を執筆し2025年1月に公刊に至った。