表題番号:2024C-063
日付:2025/04/06
研究課題近代における平安文学受容に関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 教育・総合科学学術院 教育学部 | 教授 | 新美 哲彦 |
- 研究成果概要
- 本研究では、近代の平安文学受容を主な研究対象とした。近代は、言文一致運動などにより、近代の日本文学が花開き、古典が廃れた時代でもあるが、その一方で、国民国家形成のために新たに日本古典文学史が形成され、日本古典の受容が、近世までとは異なる形でなされた時代でもあった。
本研究では、明治から昭和初期を中心に、近現代の作家や評論家、研究者が、どのように日本古典、特に『源氏物語』を中心とした平安文学を受容し、どのような言説を残しているかを調査していった。
明治時代には、『源氏物語』悪文説が登場し、古注釈時代から言われていた『源氏物語』他作者説も多く現れた。そのような平安文学作品に対する言及を、明治から昭和初期にいたるさまざまな著作物から探り、時代や男女による差異を見ていった。その調査により、近代に入ってから平安文学を中心とした日本古典文学が、肯定・否定、入り交じった言説の中で、どのように立ち上がり、定着していったかがしれよう。