表題番号:2024C-034
日付:2025/04/30
研究課題「文」と「図像」をめぐる中日古典学研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文化構想学部 | 教授 | 河野 貴美子 |
- 研究成果概要
- 日本は古来、東アジア漢字漢文文化圏の一員として、大陸中国あるいは朝鮮半島といった地域とともに言語文化、典籍、学知を共有してきた。また古典学研究においては、近年、古典籍研究と美術史研究との領域横断的研究が進み、研究の進展が著しい。そこで本研究においては、中日古典学における「文」と「図像」の関係についての研究を課題として、早稲田大学図書館によって2021年度に購入された明刊の絵入り本『釈氏源流』を足掛かりに「文」と「図像」をめぐる古典籍研究を行った。具体的には、2024年9月から2025年3月まで特別研究期間を得て中国に滞在したことを機に、北京大学図書館所蔵李盛澤旧蔵清抄本、中国国家図書館所蔵鄭振鐸旧蔵正統元年刊本、同図書館所蔵成化二十二年刊本、同図書館所蔵鄭振鐸旧蔵『釈迦如来応化事蹟』二種、首都図書館所蔵北京大興隆寺比丘圓道本、同図書館所蔵北平孔徳学校旧蔵明刊本など『釈氏源流』の諸本を実見調査し、関連資料の収集に努め、早稲田大学図書館蔵本との関係など諸本研究を進めた。また『釈氏源流』を刊行した南京の大報恩寺にも赴き現地調査も行ったうえで、『釈氏源流』の伝存諸本の東アジアにおける伝播の諸相など、その研究成果についての口頭発表を行った。