表題番号:2024C-033 日付:2025/04/01
研究課題文学と絵画―白居易画像を中心として―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 吉原 浩人
研究成果概要
  本課題は、2024年11月に早稲田大学で開催された、早稲田大学総合研究機構日本古典籍研究所・早稲田大学スーパーグローバル大学創成支援事業国際日本学拠点・北京大学中国語文学系主催「中日古典学」交流と融通ワークショップ」第五回学術シンポジウムの統一テーマ「「文」と「図像」」と連動させるために申請した。上記において、申請者は「白居易の「写真」像―国宝『山水屏風』に描かれるのは誰か―」と題する研究発表を行い、参加者の反響を得ることができた。さらに2024年度に、科研基盤研究(C)「平安期における白居易仏教思想の受容と展開」(24K03433)が、新たに採択されたことから、特定課題と科研費を連携させた国際シンポジウム「第2回 世界にひらく日本宗教文化」を、北海学園大学の鈴木英之教授と協力して開催した。 ここでは、本課題と直接関連する講演「勧学会の思想基盤―『法華経』と白居易・元稹の後世の契り―」を実施した。 さらに、中国北京市の中国人民大学においても、招待講演「白居易肖像の中国から日本への展開」を行い、同大学の大学院生と教員に対して、最新の研究成果を伝えることができた。
 以上の講演等を通じて、平安朝の文人貴族に最も愛された白居易の詩文と、その実人生が、どのように絵画化されたかを闡明することができた。 さらに、白居易の画像にとどまらず、平安時代中期に行われた勧学会の思想基盤に、白居易と元稹の影響がいかに大きかったかも論ずることができた。その成果は、来年度以降に論文として公表する予定である。