表題番号:2024C-017
日付:2025/02/24
研究課題中央地方関係についての分離融合の概念整理に関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 政治経済学術院 大学院政治学研究科 | 教授 | 稲継 裕昭 |
- 研究成果概要
本研究では、天川晃が示した「天川モデル」を中心に、中央地方関係における分離融合の概念整理を行った。
天川モデルは中央地方関係を「集権―分権」と「分離―融合」の2軸で分析する。日本の地方自治制度は「融合型」に分類され、自治体が自治事務に加えて国や都道府県の事務(法定受託事務)も担っている。この融合型システムは住民の利便性が高い一方で、事務の帰属が不明確になりやすい。2000年の分権一括法以降、主に集権―分権の軸での改革が進められたが、分離―融合の軸では基本的に融合型が維持されている。コロナ禍においては、この融合型である地方自治制度がプラスに働いた面とマイナスに働いた面が見られた。今後、本研究を発展させる形で、国際比較も視野に入れつつ、危機感対応時における融合型地方自治制度について検証を進めたい。