表題番号:2024C-015 日付:2025/04/02
研究課題グルーピング付き複数キーワードオークションの研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 助手 中川 彩野
研究成果概要

本年度はすでに収集したグルーピングを導入した複数キーワードオークションの実験データをもとに、本オークションにおける広告主の入札行動やその背景にある理論的な均衡を分析した。また理論分析の一環として、Strong Envy-free均衡や弱支配戦略均衡についても分析した。実験データの分析では、理論的な入札行動と異なる入札行動が良く見られるが、そのうちオーバービッドと呼ばれる入札行動を中心に分析した。その結果オーバービッドをしているのは2人いる広告主のうち、相手より高い評価値を持つ広告主であることが分かった。また理論分析では検索語句の評価値を加重平均した値を入札する戦略がStrong Envy-free均衡になる条件を求めるとともに、検索語句を特定の構造にグルーピングした場合は弱支配戦略均衡が存在することを明らかにした。

これらの成果は日本経済学会2024年度秋季大会、実験社会科学カンファレンス、Kochi CEFM Workshopなどで発表し、聴衆から様々な有益なコメントを得た。本オークションにおける広告主の入札行動の実態や均衡についてはさらなる分析が必要である。

本年度中に得た理論分析の成果は論文化を完了し現在英文校正中であり、来年度4月中に投稿する予定である。また実験分析の成果についても、来年度中に論文化し投稿する予定である。