表題番号:2023R-055 日付:2024/02/05
研究課題機械学習を用いた自動プログラミングによる量子アニーリング計算機の実応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 戸川 望
研究成果概要
 内閣府「量子未来社会ビジョン」(2022年4月公表)では,創薬・医療,材料,金融,製造など社会経済システム全体に量子技術を取り組み,我が国の産業の成長機会を創出し社会課題の解決が得組まれる.一方,産業応用が近いとされる量子技術の一つとして「量子アニーリング計算機」が注目され,さまざまな産業応用に見られる組合せ最適化問題を高速・実時間に解法することが期待される.一方,量子アニーリングによる組合せ最適化問題の解法では,対象問題をイジングモデルによって表現する必要があるが,組合せ最適化問題の中には本質的にイジングモデルで表現不可能なものが多数存在する.
 本研究は機械学習を利用することで量子アニーリング計算機のプログラミングに注目し,実問題や実物理現象をイジングモデルのベースとなる「2次形式」で自動的に十分よく近似表現する仕組みを構築することを目指す.得られた「2次形式」のもと量子アニーリング計算機により原問題を求解することで,これまで難しいとされた実問題や実物理現象にもとづく多様な組合せ最適化問題が量子アニーリング計算機によって極めて高速・高精度に求解可能となる.今年度は,いくつかの例題をもとにその妥当性を検証した.