表題番号:2023R-045 日付:2024/02/15
研究課題共有系列を用いた通信路容量に迫る符号化変調法
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 講師 細谷 剛
研究成果概要
本研究は大容量のデータ送受信に適した理論的限界に迫る符号化変調方式,および誤り訂正符号化・復号法の開発を目指すものである.多値の信号を送る際に現在最も主流な方式であるビット置換符号化変調(BICM) に着目し,共有系列を用いた修正BICMに対する伝送効率を向上させる送受信システムを提案した.ここで送受信システムは,送信する無数の符号語全てに対し評価するものであり,修正BICM を用いて低密度パリティ検査符号など誤り訂正符号と組み合わせた際の符号化変調/通信路符号化法である.DBICM がこれまでの手法と異なる点は複数の符号語を送受信する点である. そのため,前の符号語の復号結果を次の復号に利用するため,前の符号語で復号に失敗すると悪い情報がフィードバックされシステム全体の性能悪化につながる.送信システムにおける序盤と終盤の送信系列では送受信間で既知の共有系列を用いており,従来研究では全零系列を仮定していたが,共有系列の決め方で性能が異なる. そこで遅延時間スロットと共有系列を決めるにあたって信号点間の二乗ユークリッド距離の調和平均に基づいて共有系列と遅延スロットを変化させることで信号点配置のビットラベルを変化させることなく,送信システム全体の性能向上を図った.通信路容量の計算結果より,提案する方法が良好な性能をもつことを明らかにした.