表題番号:2023R-036 日付:2024/03/30
研究課題ショートトラックスピードスケート競技における滑走動作の力学的特性の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 講師 岡部 文武
研究成果概要
 ショートトラックスピードスケート競技における滑走動作の力学的特性を明らかにするうえで,当該競技における滑走様態を明確にする必要がある.その際には,競技トラック全体に3次元計測範囲を構築し,レースを通じた滑走軌跡や滑走速度の変化を把握することが有効である.しかし,競技大会開催期間中は競技トラックに立ち入ることはできないため,競技コース上に較正装置を設置したうえで3次元計測範囲を構築することが難しい.そこで,本特定課題では,競技トラック周囲に設置された緩衝マットや競技コース上に設定されたスタート・フィニッシュラインや変曲点を用いて3次元計測範囲を構築する方法を検討した.
 本特定課題ではレーザー距離計測装置(Leica DISTO S910Leica Geosystems社製)を購入し,これを用いて,3次元計測範囲の構築を試みた.巻尺とレーザー距離計測装置により計測された緩衝マットの規格を比較し,レーザー距離計測装置の計測精度を検証した後,国際競技大会の会場にて,競技トラック全体に3次元計測範囲の構築を試みた.その結果,レーザー距離計測装置を用いることで,競技トラック全体に,計測精度の高い3次元計測範囲を構築できることを確認できた.
 今後は,本年度の成果を基に,国際競技大会にて実施されるレースを分析し,世界一流選手の滑走様態を明らかにする研究に取り組む予定である.