表題番号:2023Q-016 日付:2024/04/03
研究課題児童の非認知能力の促進を目的とした授業研究・アクション・リサーチの国際的展開
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 井上 典之
(連携研究者) University of Cambridge Associate Professor Elaine Wilson
(連携研究者) Aix-Marseille University Associate Professor Maria Impedovo
(連携研究者) University of Amsterdam Post-doctoral researcher Rikkert van del Lans
(連携研究者) University of Amsterdam Professor Frank Cornelissen
(連携研究者) York University Senior Lecturer Margaret Meredith
研究成果概要
本研究では、教育現場において授業研究やアクション・リサーチのような教師自身が自らの教育実践を改善するために行う研究・探究活動をいかに促進し、そこから教師の成長を促すことができるかという観点で研究活動を行っている海外の研究グループとの共同研究を行い、様々な文化的コンテクストにおける方法論的方略を学び、そこから新たな知見を創生するためのコラボレーションを行った。その中では教師が学び手の非認知的な次元を含む全人格的成長を促すゴールを教科教育や授業での学習者とのやり取りの中で見失うことなく、他の教師とコラボレーションしながら探究を続けていくことの大切さが明らかとなったと同時に、そのような活動の文化コンテクストへの依存性も浮き彫りになり、引き続きこの研究課題についての国際的コラボレーションを続けていくこととなった。

本研究課題による研究成果としては、エクス・マルセイユ大学の研究者らと共に教育実践改善を目指した探究活動を促進するための教師集団コレクティブを形成する方法についての英語による学術書を執筆・出版し、アムステルダム大学、ケンブリッジ大学の研究者らとOECDのTALISデータを分析して各国の教員研修のあり方の国際比較を行った査読付き論文を国際学術誌に発表した。またヨーク大学の研究者から招待されて認識論的正義という切り口で、教育実践におけるダイアローグのあり方について論じた論文を英語による学術書のチャプターとして発表した。またグラスゴー大学で行われたヨーロッパ教育学会(ECER)では、教育実践改善を目的としたアクション・リサーチにおいて、そのゴールを徐々に進化させていくことがいかに教え手の成長につながるかについてのペーパー・プレゼンテーションを行い、各国からの参加者から多くの反響を得た。