表題番号:2023Q-007 日付:2024/02/09
研究課題軸流圧縮機のサージ・旋回失速共存形態における内部流動把握
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 講師 藤澤 信道
研究成果概要

本研究では、軸流圧縮機のサージ・旋回失速共存形態での複雑流動を解明・検証し、サージの発生構造を明らかにすることを目的とする。軸流圧縮機の作動範囲を縮小するサージ・旋回失速発生時の内部流れは非常に複雑であり、両者の関連性の普遍的な理解は未だ無い。また、数値解析により予測された失速の詳細な渦構造を試験で解明した例は無く、解析の妥当性も検証されていない。そこで、1.実機試験・数値解析により、翼端隙間の変化および圧縮波入射による内部流動構造の違いがサージサイクルの切り替わりに与える影響を調査する。さらに、2.圧縮波入射時の動翼前後の圧力変動を検証する。本年度は、多段圧縮機に圧縮波を入射した際に内部流れ場の影響を調査するために、まずは単段形態での基礎的なデータを取得する。


軸流圧縮機の作動範囲を縮小するサージ・旋回失速発生時の内部流れを調査する前段階として、高精度の数値解析コードの作成を行った。サージ点の予測精度が未だ不十分であるが、次年度にて非定常解析を導入しサージ点の予測精度を向上する。その後、数値解析により、旋回失速の流動構造の違いがサージサイクルの切り替わりに与える影響を調査する。また、圧縮機入射によるサージサイクルの挙動変化を調査した。動翼前後の非定常圧力変動を調査し、圧縮波入射による動翼前後の圧力変動の位相差を明らかにした。次年度以降は、多段圧縮機に形態を変更し、圧縮波入射の影響が上流に伝播することによる内部流れ場に与える影響を調査する.