表題番号:2023E-023 日付:2024/04/04
研究課題高還元触媒系を利用する可視光駆動型C–N結合開裂反応の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 太田 英介
(連携研究者) 理工学術院 教授 山口潤一郎
研究成果概要

可視光照射下、Ir光触媒とルイス酸触媒を加え、ピロリジンと水素原子供与体を反応させることで、開環体を与えることを見いだした。本反応は高い官能基許容性を示し、エステルやアミド、エーテルなどを有するプロリンやプロリノール誘導体およびプロリンを含むジペプチドに適用できた。本触媒系は水素化のみならず、アルケンあるいはアルキンとの分子間ラジカル付加反応により、C–C結合形成にも応用できた。ピロリジンの開環型水素化反応の推定反応機構を精査したところ、反応進行の鍵はルイス酸によるアミドの活性化であることを突き止めた。また、N-アシル基の置換基効果の調査から、本反応はベンズアミドをもつピロリジンのみ適用可能であることがわかった。CV測定を試みたところ、ベンズアミドではルイス酸の添加により酸化還元電位が変化し、可視光レドックス触媒による一電子還元が可能になったことが示唆された。