表題番号:2023C-713 日付:2024/03/13
研究課題権威主義化への抵抗:民主主義運動と分極化に関する実証分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等研究所 講師 佐藤 祐子
研究成果概要

本研究課題は、政治的分極化がどのような条件下で減少するのかについて明らかにすることを目標としたプロジェクトである。2023年度においては、2024年度から2026年度にかけて新しく採択された科研・若手研究の準備段階として、研究を進めてきた。近年、政治的分極化は権威主義化を促進する主要因の一つとして認識される。先行研究では主に、反民主主義的傾向を持つリーダーの用いる政治戦略に焦点を当て、政治的分極化が促進するメカニズムが体系的に示されてきた。他方、権威主義化の進む国における反体制・民主主義運動の効果について研究蓄積は限られている。どのような条件下で民主主義運動は、政治的分極化を緩和させることができるのだろうか?本研究はこの未解決の問いを解明すべく、オンラインサーベイ、インタビュー、国際比較分析を組み合わせる混合手法を用いた実証分析を行うことを目指す。2023年度においては、本研究のオンラインサーベイを実施する前段階としてPre-analysis planを作成し、アメリカ・ニューオリンズで1月に実施されたSothern Political Science Association Annual Conferenceにおいて発表を行い、フィードバックをもらった。この際にいただいたコメントを踏襲して作成したオンラインサーベイは4月頭にパイロットサーベイを実施し、その結果をもとに本サーベイを2024年度中に実施する予定である。