表題番号:2023C-689 日付:2024/04/01
研究課題スポーツ選手の足部形態と足部機能調査―競技種目の差異に着目して―
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 助教 前道 俊宏
(連携研究者) 早稲田大学スポーツ科学学術院 教授 熊井司
研究成果概要

本研究では、足部形態や機能の観点から、スポーツ競技別に足部障害のリスクやその因子を解明することを目標に、スポーツ競技で唯一荷重を加えない水中競技に焦点を当て、荷重の有無が足部形態と機能に与える影響を明らかにすることを目的とした。対象は、男子大学競泳選手18名(SW群)と男子一般健常者12名(CON群)の計30名とした。足部・足関節柔軟性として足関節背屈可動域、Toe floor distanceTFD)、非接触型3次元足形自動計測器を用いた座位、立位姿勢時の足部形態測定、超音波画像診断装置を用いた座位、立位姿勢時の足部内在筋、足部外在筋横断面積測定を行った。

 足関節背屈可動域及びTFD共にSW群の値がCON群と比較して低く、柔軟性が高かった。足部形態において座位、立位共にSW群の足囲、足幅がCON群と比較して大きく、舟状骨高、arch height index (AHI)に差は見られなかった。足部内在筋、足部外在筋横断面積においてSW群の母趾外転筋、後脛骨筋、長母指屈筋、長趾伸筋の横断面積がCON群と比較して大きかった。競泳選手は足部・足関節柔軟性が高く、足部の足囲、足幅が大きかった。また、舟状骨高やAHIには差がないことが分かった。更に、足関節底屈位でのキック動作は足関節外在筋、中でも足関節底屈筋群の発達に加え、足部内在筋の発達に繋がる可能性が示唆された。

 同研究成果は現在学術論文として投稿し、現在査読を受けている。また、再解析を進めており、新たに得られた結果を、学会にて発表予定である。引き続き研究結果の解析を行い、得られた結果を国内外学術集会及び学術論文として発表予定である。