表題番号:2023C-687 日付:2024/02/28
研究課題作業姿勢評価支援システムにおける作業姿勢データの拡張
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 講師 肥田 拓哉
研究成果概要
労働現場における作業による腰痛や肩こりなどの運動器障害の予防には、作業が身体に及ぼす影響の一つである身体負担の評価が必要である。しかし、その評価には高額な計測機器や高度な専門知識が必要である場合が多い。そこで本研究では、観察法(労働現場で利用される目視による姿勢評価法)に基づいて、人の判定を介さずに作業姿勢を自動で評価することを目的とした。具体的には、単眼RGBカメラで撮影された作業動画を入力として、姿勢推定AIにより関節座標を取得し、事前に作成した機械学習モデルによって姿勢評価を支援するという方法である。これを実現するために、被験者10名に対して観察法に基づいた作業姿勢をとらせる実験を実施し、モーションキャプチャシステムにより姿勢データ、8台の単眼RGBカメラにより作業動画を取得した。そして、作業動画を姿勢推定AIに入力することで関節座標を取得し、モーションキャプチャで取得した姿勢データにより各フレームの関節座標に対して観察法の評価スコアのラベル付けを実施した。さらに、ラベル付けしたデータセットを用いて、観察法の評価スコアを分類する機械学習モデルをSVC(Support Vector Classifier)により作成した。一人抜き交差検証の結果、観察法の評価スコアの分類精度は6割~9割程度となり、総合評価値の一致率は7割以上となった。