表題番号:2023C-675 日付:2024/04/05
研究課題電源開発の社会的影響2
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 浜本 篤史
研究成果概要

本研究では、前年度に引き続き、戦後日本社会における電源開発の歴史について、地域住民の目線に基づきながら、現代的観点から捉え直すことを目的とし、福井県奥越地方の九頭竜ダムを具体的な事例対象とした。これまでの蓄積を踏まえつつ、今年度は、福井県旧和泉地区での現地訪問を中心として、愛知県への移住者を含めて新たに8名の方々への聞き取り調査を実施した。また、写真・地図データおよび公文書資料との照合作業を一定程度進めつつ、北陸新幹線および中部縦貫道の開通を目前にした現在からの解釈も念頭においた。これらの成果は、まもなく刊行される報告書でまとめられる予定であるが、移住者への補償、生活再建だけでなく、ダム立地地域におけるダム観光および地域活性化の動向をたどることで、「大型ダム建設を地域社会の人々がどのように経験してきたのか」という実像を得ることができたように思われる。