表題番号:2023C-657
日付:2024/09/27
研究課題持続可能な食バリューチェーン評価プラットフォーム構築のための萌芽研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 野中 朋美 |
- 研究成果概要
本研究は,持続可能な食バリューチェーンの評価および改善を支援するプラットフォームの構築に向けた萌芽的研究として実施された.持続可能な食バリューチェーンは,農業生産から消費に至るまでの各段階で環境・社会・経済的な影響を考慮し,持続可能な発展を目指すものである.ただし,既存の評価手法は,食のバリューチェーン全体を包括的に捉えたものが少なく,また従来の製造業バリューチェーンとは異なる食固有の課題や特徴を把握し反映することが課題となっている.
そこで本研究では,まず第一に,既往の製造業サプライチェーン研究に対して,食バリューチェーンの特徴を分析した.特に,一研究事例として複数の卸を想定した生鮮食料品製造現場における賞味期限の設定が食品ロス発生に与える影響について研究を行った.この分析を通じて,食品廃棄物の削減に向けた課題を明確化し,食バリューチェーンに特有の要因を考慮した評価枠組みの構築を試みた.
第二に,システムズエンジニアリングの手法を用いて,食バリューチェーンに関わる複数のステークホルダー(生産者、加工業者、流通業者、消費者など)の協働を促進するための知識交流・価値共創のための共創場の設計の検討を行った.これにより,各ステークホルダが参画し,目標設定,共有,知識交流を行うためのプラットフォームの要件を定義した.
本研究の成果は,今後の持続可能な食バリューチェーンの発展に資するプラットフォーム構築に向けた基盤を提供するものであり,さらに詳細な検討と実証研究が求められる.