表題番号:2023C-641 日付:2024/04/01
研究課題センサリー・マーケティングが及ぼす影響の包括的な理解とその応用可能性
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 准教授 石井 裕明
研究成果概要

本研究においては、2010年前後から学術的にも実務的にも注目されているセンサリー・マーケティングに注目をしたうえで、社会的に望ましい消費者行動を促すマーケティング施策に関する議論を進めてきた。具体的には、以下の三つの段階を経て、議論を進めた。

 第一の段階は文献レビューである。具体的には、Journal of MarketingJournal of Consumer ResearchJournal of Marketing Researchなどのマーケティング関連のトップジャーナルに掲載されている文献のレビューのほか、Journal of Consumer PsychologyPsychology and Marketingなどの消費者行動関連のジャーナル、Journal of AdvertisingJournal of Advertising Researchなどの広告関連のジャーナルなどに掲載されている文献のレビューを進め、先行研究を整理した。これらの文献レビューから、視覚的なマーケティング施策が社会的に望ましいキャンペーンに及ぼす影響に関する仮説を導出した。

 第二の段階は実務家に対するヒアリングである。広告に携わる実務家や観光振興に携わる実務家などに対してヒアリングを行い、センサリー・マーケティングに関する企業側の意識を探索的に検討した。その結果、センサリー・マーケティングに対して、コミュニケーション上の施策としてだけでなく、より広範な役割が求められていることが明らかとなった。また、ヒアリングを通じて仮説の精緻化を図った。

第三の段階は仮説の検証の準備である。インターネット調査などを念頭に、画像を用いた実験を実施できるよう、調査票や刺激の作成などを進めた。仮説の検証に関しては、次年度以降の実施を予定している。