表題番号:2023C-599 日付:2024/03/29
研究課題企業の危機管理分野におけるデータサイエンス技術の活用の実態と課題
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) データ科学センター 講師 寅屋敷 哲也
(連携研究者) 兵庫県立大学 准教授 紅谷昇平
研究成果概要

本研究の目的は、企業等組織の実務においてデータサイエンスの技術を活用し、災害等危機管理分野の課題解決に資する方策を特定し、課題解決に向けた技術の構築に発展させることである。本研究は、まずは研究の対象組織として自治体を選定し、自治体の災害対応に活用できるシステム構築を目指した。大規模な自治体であれば防災担当部署が設置されているものの、3年程度で人事異動があり、災害を経験したことがない自治体では当然災害対応経験がある職員も少なく、防災や災害対応の知識やノウハウを有している自治体職員は少ない。また、小規模な自治体であれば、そもそも防災担当部署がない場合も多い。すなわち、災害が発生した場合に、災害対応に関する知見が無い中で、対応せざるを得ない自治体が少なからずあるという実態がある。この課題に対しては、近年技術発展が進んでいるAIを用いたチャットボットを活用し、災害対応に資するサポートシステムを構築することで、解決することができるのではないかと考えている。本研究は、自治体の災害対応の専門家やAI等技術に詳しい研究者を含めた共同研究で進めることとしている。本研究では、これまでの災害対応で蓄積されている知識の整理方策について検討した。災害対応に詳しい自治体職員は限られているが、東日本大震災以降、災害が発生した場合に被災地の自治体に応援として職員が派遣される制度も拡充され、災害対応の知見を蓄積している職員も増えている。そのような災害対応のエキスパートの自治体職員に対してアンケート調査を実施し、災害対応の知見データの収集および整理を行う。調査方針や調査票の内容の検討については、3回程度の研究会により実施した。今年度の研究成果としては、研究の方向性の特定、調査方針及び調査内容の決定、調査の準備までを行うことができた。