表題番号:2023C-595 日付:2024/03/25
研究課題English Medium Instruction(EMI)における学生の多様性に関する問題点およびその支援方法
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 大学総合研究センター 講師 阿部 真由美
研究成果概要
 本研究課題では,EMIにおける学生の多様性に焦点を当て,その問題点を整理し,支援方法を検討することを目的とした。2023年度は主に先行文献のレビューを行うとともに,EMI授業の支援方法のひとつとしてファカルティ・ディベロップメント(FD)の研修プログラムのデザインについて検討した。具体的な内容を以下に示す。
 まずは各国のEMIの状況を探るために先行研究をレビューし,特に日本と背景事情に共通点が多い台湾や韓国におけるEMIの実施状況や問題点について概観した。いずれの国においても大学でのEMIによる教育の機会は拡大する傾向にあり,その目的は留学生の誘致や自国の学生を対象としたグローバル人材育成といった点で概ね共通している。しかし,それぞれの国や大学の事情によってEMIの導入や支援の方法に違いがあり,各々の文脈に応じた対応の検討が必要であると言える。その点を踏まえ,本研究課題ではさらに本学でのEMI授業の状況を把握するために,2022年度に学内で実施したEMI授業に関する調査の結果を分析した。また,本学でのEMI推進を目的としたFDの研修プログラムに関して参加者を対象に調査を行い,その成果を学会(IICE2024)にて発表した。
 EMIの拡大と支援は,今後も当面のあいだ,多くの国や大学において喫緊の課題であると考えられる。引き続き,現場の状況やニーズを探りつつ,支援方法を検討していきたい。