表題番号:2023C-524 日付:2024/03/22
研究課題アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)に基づくセルフケアアプリの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 大月 友
研究成果概要
 アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)に基づくセルフケアアプリとして,全14セッションからなる心理教育プログラムを作成した。セルフケアアプリにおいては,ドロップアウト率の高さが弱点として指摘されている。そこで,本プログラムではドロップアウトを予防するために,①1回のセッションあたりの時間を短くし,ステップバイステップで必要な知識やスキルを学べる構成とする,②魅力的なキャラクターをガイド役として,テキストベースの対話形式(チャット)で進めていく設定にする,③プログラムにはアニメーション動画や漫画,ゲームなどのデジタルコンテンツを活用する,④プログラム全体を通して利用者のプロフィールが完成し,そのプロフィールを視覚的にフィードバックするページを設定する,など書籍等の紙媒体を利用したセルフヘルプでは実現できない工夫を行った。
 また,科学的なエビデンスを反映させるため,多くのACT研究においてマニュアルとして使用されているHayes, Strosahl, & Wilson(2012 武藤・三田村・大月監訳 2014)を参考にプログラムを構成した。また,ACT関連のさまざまな専門書を参考に,メンタルヘルスアプリでの実装に適したメタファーやエクササイズを選び,コンテンツを作成した。
 プログラムは全14セッションで構成され,1セッションあたりの所要時間が10分から15分程度となるようにした。1セッションの流れは,①気分や心理的柔軟性のセルフモニタリング,②導入のためのマインドフルネスエクササイズ(アニメーション動画),③各セッションのテーマに関する心理教育(チャット,アニメーション動画,漫画),④各セッションのテーマの知識やスキルを身につけるためのエクササイズやメタファーなどの介入(チャット,アニメーション動画,漫画,ゲーム)で構成した。①と②は全てのセッションを通して共通であり,③と④は各セッションにより異なる内容とした。