表題番号:2023C-510 日付:2024/04/05
研究課題外国人高齢者の医療・介護保障に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 棟居 徳子
研究成果概要

 本研究は、人口の高齢化が進展するわが国において、外国人高齢者を含めた「誰ひとり取り残さない」ヘルスケアシステムの構築を目的に、外国人高齢者の医療・介護に関する課題への対応策を検討するものである。

 2023年度は、オランダにおいて移民高齢者にケアを提供する施設や事業所に訪問したほか、日本国内で外国人への支援を行っているいくつかの自治体の職員との意見交換をオンライン及びメールで行った。また、関連するセミナーやイベントに参加し関係者との情報交換を行うとともに、国内外で外国人高齢者のヘルスケアに関する研究を行っている研究者との学際的な研究ネットワークの構築に着手した。さらに、政府が策定した「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策」と「外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ」の分析を通して、外国人高齢者の医療・介護保障に関する課題を検討した。その成果を論文にまとめ、2024年度中に発表予定である。

 2023年度は、本研究課題を遂行していく上での基盤形成にかかる作業が中心となり、国内外における本格的な調査の実施に着手することまではできなかった。2023年度中に構築した国内外のネットワークをベースに、今後、国内の医療・介護現場におけるグッドプラクティスと課題を明らかにするための調査及び外国人高齢者のヘルスケアに関する国際比較研究を実施したいと考えている。