表題番号:2023C-504 日付:2024/04/02
研究課題平和構築における国際規範間の関係変容メカニズムの解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 准教授 小山 淑子
研究成果概要
本研究は、紛争後社会における平和構築の取組を国際規範の伝播の試みとして捉え、コンストラクティビズムの視座から、「国際機関による平和構築支援は、何故、成功もしくは失敗するのか」という問いを検証する。具体的には、紛争後社会における平和構築の取組を国際規範の伝播の試みとして捉え、コンストラクティビズムの視座からこの問いを検討する。本研究は、国際社会における「平和と安全」領域の国際規範のうち、特に「治安部門改革(SSR)」と「元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)」に着目する。その上で、それら国際規範の相互作用、同一問題領域の競合する異なる国際規範、それらの上位に位置する原則的規範との間の相互作用を検証し、国際規範の間の関係性の変容メカニズムの解明を目指す。

本研究は、3段階に分け以下の通り実施される。

第一段階(2022年度):国際規範の生成・変容過程の検証を行う。
第二段階(2023年度):SSRとDDRの関係性の変容過程を批判的に検討した共同ペーパーの国際学術誌発表を目指す。
第三段階(2024年度):研究成果の英文書籍での発表を目指す。国内外研究者との共同プロジェクト・チームを組織し、本国際共同研究の更なる強化のため科研費国際共同研究加速基金・国際共同研究強化(B)などの競争的研究資金の獲得を目指す。

第二段階にあたる2023年度は、SSR・DDRに関する国際共同研究の準備として、共同研究者・研究協力者とのネットワーク構築・強化を行った。DDRに関する研究成果発表を研究成果の一部は、The Conflict Research Society (CRS) 年次大会(ロンドン、2023年9月11~13日)にて発表を行った。現在、発表に際して得られたフィードバックを反映し、分析の精緻化を行っている。並行して、SSRに関する研究成果の一部を英文書籍として発表する準備を進めている。また本研究成果の一部を収めた単著論文が、英文編著書籍(の一章として近日中にPeter Langより出版予定である。