表題番号:2023C-418 日付:2024/04/09
研究課題数理物理に現れる非線形偏微分方程式の適切性
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 小薗 英雄
研究成果概要
次元空間Rにおいて斉次Besov 空間を導入し,それに時間変数の重みを乗じるスケール不
変な時空間の関数空間で,外力付きのNavier-Stokes 方程式の軟解の一意存在を議論した.
実際,与えられたデータがそれらの関数空間で十分小さければ,時間大域的な軟解が一意的に存在することを証明した.
手法は適切な解空間を設定し,解を与えられたデーターの陰関数と捉えることに特徴がある.
陰関数定理の帰結として,データに対する解写像の連続依存性が得られる.その応用として,
スケール不変な時空間の関数空間における解の時間漸近的な安定性も証明できる.
更に,与えられたデータが大きい場合は,臨界Besov 空間における高周波部分が
小さいという付加条件の下で時間局所解を構成した.尚,我々の付加条件は,
従来のLp(Rn)(ただし,n ≦ p < 1) に属する大きな初期データの時間局所解の存在定理を含むより一般的なものある.