表題番号:2023C-400 日付:2024/03/23
研究課題男女雇用格差のミクロ的検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 梁取 美夫
研究成果概要

本研究の目的は2023年度に応募する科研研究費申請書類の基礎となるパイロット実験を行うものであった。このため本研究費を使用し、日本のクラウドソーシングウェブサイト上で4回のシナリオベースの実験を実施した。その実験をもとに「女性活用人事システムの構築: 全体と個別の視点の統合」として基盤研究Bに申請を行い、採択された。

実験は1回については女性が男性とは異なる観点から意見が言えるような職場環境を形成するためにはどうしたら良いかという問題意識のもと、まずその前提条件として女性が職場においてマイノリティの際に異なる意見を表明することに躊躇するかどうかを確認すべく、女性が製品開発プロジェクトチームにいるという設定で被験者がどの程度意見を言うことに積極的かを調査した。

これ以外の3回については男女給与格差に焦点を当て、勤務評価に基づいたボーナスの配分において男性と女性が社員の場合女性が不利になるというCastilla & Benard (2010)が日本のコンテクストでも当てはまるかについて、シナリオベースの実験(企業や従業員のバックグラウンドおよび勤務成績を提示し、被験者にボーナスの割り当てをさせるもの)を変数を操作しながら実験を繰り返した。

いずれの実験も科研申請のためのパイロット研究であり単独で論文化するレベルにはないが、科研費を使用した本研究を実施し論文化した際にはパイロット研究として触れられることになる。