表題番号:2023C-392 日付:2024/04/02
研究課題子どもの自己成長力を育てるモデル単元の開発研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 大学院教育学研究科 教授 田中 博之
研究成果概要
 まず、理論研究として自己成長力の概念の明確化と定義を行った。それをもとに、試作版の成長力アンケートを作成し、研究協力校の小学校5・6年生と中学校1・2・3年生にアンケートを受けてもらった。研究協力校は、京都府A小学校、愛知県B中学校及び新潟県C中学校である。その結果を元にしてアンケートを完成することができた。この自己成長力アンケートの項目を整理する領域は、「成長しようとする力(成長動機)」「成長の目標をもつ力(目標設定力)」「自分を評価する力(自己評価力)」「自分を創る力(自己創造力)」「友だちと共に成長する力(協働的成長力)」「自分を修正する力(自己修正力)」「心を落ち着かせる力(自己安定力)」という7領域である。それぞれの領域について、アンケート項目を2つずつ設定して、合計14項目からなるアンケートを作成した。今年度の研究においては、この成長力アンケートについて、小学校高学年版と中学校基礎版の2種類を作成することができた。
 次に、友だちとの対話活動を通して自己の成長を振り返り成長宣言を行う等の多様な自己成長学習の基本活動モデルを研究協力校の教員の協力を得て構想し、児童生徒が取り組むことができる40個のアクティビティーアイデア集を作成することができた。この活動構想案をもとに、2校の研究協力校において、試行的な研究授業を実施し、その特徴を授業の参加観察と授業記録ビデオの質的分析により明らかにした。今年度実施したアクティビティーは、「自分の通知表を作ろう」、「はがき新聞を書こう」「成長宣言をしよう!」「成長力レーダーチャートを分析しよう!」等であった。
 なお、個人情報の守秘義務を遵守するとともに、研究授業の実践と調査実施に関わる学校の許可を得て実践を進めた。