表題番号:2023C-366 日付:2024/11/08
研究課題地方協力本部・地域事務所の活動に注目した防衛省・自衛隊の広報活動に関する調査研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 野上 元
研究成果概要

「戦争と社会」研究領域(戦争社会学)における重要な研究分野に「軍隊と社会」研究がある。なかでも特に、野上(2021)「軍事におけるポストモダン」で指摘したとおり、軍隊と一般社会のあいだの再帰的な観察の場が注目するべきポイントとなる。そこで本研究は、軍隊と社会の接触面としての軍隊の広報活動や募集活動に注目する。具体的には、防衛省・自衛隊東京地方協力本部および九州地方諸県地方協力本部および近畿諸県地方協力本部に協力を請い、広報官から広報・募集活動に関するヒアリングを行い、各地域の広報・募集業務上の特徴や課題、任務としての広報・募集業務の位置づけを伺った。また、軍隊の募集活動・広報活動に関する内外の研究を収集し、理論枠組み構築のための検討を続けている。まとまった成果はまだ出せていないが、本課題で得られた知見の一部は、分担者として参加している科研(B)「現代日本の戦争観・平和観とその歴史・文化的背景に関する社会学的研究」(京都大学・吉田純教授代表)における退職者調査(ネット調査)の結果の一部を精査する際に役立った。