表題番号:2023C-351
日付:2024/04/05
研究課題至高体験の測定手法確立のための基礎的検討
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 文学学術院 文学部 | 准教授 | 片平 建史 |
- 研究成果概要
至高体験を「フロー状態」と「畏敬の念」の2面から捉え、それぞれの心的状態を、実環境内で言語報告に頼らずに測定する手法を検討している。
今年度は特に、「畏敬の念」に強い関連性が指摘される生理反応である鳥肌に着目し、これを指標として活用すべく計測手法の検討を重点的に実施した。先行研究のプログラムを参考に新たにプログラムを作成し、PCやシングルボードコンピュータRapsberry Piなどの多様な実行環境で動作することを確認した。
特に、Rapsberry Piは小型であることを活かしてウェアラブルなシステムを実装することが可能であり、当該機材で動作する鳥肌計測プログラムが実現されたことは、実環境において鳥肌を継続的に計測するデバイスの開発につながる重要な成果であった。
一方、ウェアラブル化に適した小型のRapsberry Pi Zeroを用いた場合の計測サンプリングレートは2Hz程度であり、最低限のモニタリングは可能であるものの、さらなる機能の追加を計画するには不十分な時間分解能であった。今後はRapsberry Pi Zeroの後継機を用いた機材の性能向上、プログラムの改善や新たな指標化アルゴリズムの考案など実環境での高機能な鳥肌計測システムの開発を目指す。