表題番号:2023C-346 日付:2023/12/10
研究課題生業の持続可能性に関する実証的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 西城戸 誠
研究成果概要
 本研究の目的は、東京都八丈島における生業の持続可能性について実証的に考察することである。八丈町の産業は農業(花き観葉植物栽培)と沿岸漁業を基盤とし、くさや加工や伝統工芸品の黄八丈織などの商工業がある。だが、管見では、黄八丈織以外の産業に対しては、生業史に関する学術的研究の蓄積が乏しい。本特定課題研究においては八丈町の「くさや」に着目し、くさやの原料となる漁業、くさやの生産者や生産過程、くさやの消費に関わる変遷を実証的に分析し、くさやの持続可能性について考察することを目的としている。
 本年度の研究成果は、八丈町のくさや産業関係者をほぼ網羅するかたちで聞き取り調査を行い、それぞれのくさや生産過程を把握した。また、くさやの原料となるムロアジ・トビウオの収獲の変遷について把握し、原料の生産とくさや加工の関連について分析を行った。
 さらに、八丈町における新たな生業(レモン、酪農など)に関する調査を実施し、八丈島の生業研究の展開可能性に関して示唆を得ることができた。