表題番号:2023C-345 日付:2024/02/03
研究課題自然との関わりとウェルビーング文献研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 高野 孝子
研究成果概要
 自然とウェルビーイングの関わりについては、近年急速に様々な研究がなされてきている。
 20年ほど前より、難病を抱える人たちが比較的厳しい自然体験をすることの価値について研究したいと考えていた。今回の研究では、難病や厳しい自然体験にとどまらず、広く自然との関わりとウェルビーイングに関して、近年蓄積されてきた知見や調査方法について調べることを第一の目的とする。
 この調査の一環として、8月にスウェーデンで予定されている大会(Wild pedagogies gathering at Enaforsholm)に参加した。デンマーク、オランダ、アイスランド、アイルランド、ノルウェー、スウェーデン、イスラエル、US、カナダ、オーストラリア、ギリシャなどから40人限定で集まった。
 Wild PedagogiesやEcologizing Educationなど、自然との関わりと教育を社会変革に繋げる視座が提供され、「ある個人がありのままでいられる」学びの場にウェルビーイングの要素が含まれる視点を得た。Fossness によるVulnerabilityセッション、BeemanによるFrom I to it、Paulsen によるWuwei, Onto-sympathy and zoelogical memoriesなどは、自然と人の関わり、自然とウェルビーイングの関わりについて体験的、認知的に検討する機会であった。
 Ritchieとともに、Earthing and ecohealthと題したワークショップと講義を展開したが、さまざまな反響があった。研究テーマとして当初考えていた、「高齢者のウェルビーイングと自然との関わり」、「コロナ期を経た青少年にとっての自然体験活動の意味」などよりはもっと哲学的な思考をする場となった。同時に、具体的にRitchieとは研究論文と発表につながる動きとなった。