表題番号:2023C-331 日付:2024/02/06
研究課題世界文学としての日本文学:翻訳、教育、ジェンダー
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 准教授 由尾 瞳
研究成果概要
本研究では、グローバル社会における文学の流通、つまり、世界文学の中の日本文学の位置付けという問題を追及し、「翻訳」という行為を、単に日本の文学を海外の読者に広めるということだけでなく、常に変動している「世界文学」という枠の中に、多様性のある、 活きた「日本文学」を位置付け続けていくという、意義のある行為の原点にあるものとして捉える。2017年に発表した「英訳される日本文学」と題した研究をもとに、さらに研究視野を広げ、明治から現代にわたる日本文学の翻訳や、海外アンソロジーに収められた日本文学作品を研究し、作品分析や翻訳分析に加えて本の表紙デザインやメディア流通などの視点からも探求することを目的とした。さらに、翻訳の歴史や日本文学の海外における受容を考えるのに、ジェンダーの視点に注目して分析を展開した。研究成果としては、国際学会における研究発表、共著書『Making Translation Visible: Gender, Hybridity, and Border-Crossing in Modern and Contemporary Japanese Literature』(仮)に向けての下準備などが挙げられる。