表題番号:2023C-305 日付:2024/04/04
研究課題複数キーワードオークションのメカニズムおよび均衡の分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 助手 中川 彩野
研究成果概要

本年度はすでに収集したグルーピングを導入した複数キーワードオークションの実験データをもとに、本オークションにおける広告主の入札行動やその背景にある理論的な均衡を分析した。本研究ではグループが1つである場合と2つである場合という限定的な状況について分析を行っている。これらの場合をグルーピングを導入しない場合と比較すると、理論的にはグルーピングを導入しない場合よりもした場合の方が広告主の利得が下がり検索エンジンの利潤が上がる。しかし実験では広告主の利得や検索エンジンの利潤の動きが理論分析の結果と異なり、広告主のオーバービッドがよく見られた。本年度はどのようなビッドがなされているのか、誰がオーバービッドをしているのか、オーバービッドの結果広告主の利得や検索エンジンの利潤がどうなっているのかなどを詳細に分析した。そしてそれらの結果を日本経済学会2023年度秋季大会、実験社会科学カンファレンス、The Summer Workshop on Game Theory and Experimental Economics 2023CEFM Kyoto Workshopなどで発表し、聴衆から様々な有益なコメントを得た。本オークションにおける広告主の入札行動の実態についてはさらなる分析が必要である。

またキーワードオークション全体の文献レビューも行い、本研究が導入したグルーピング以外の複数キーワードオークションの分析手法を研究した。

本年度中に得た成果は、来年度中に論文化して投稿する予定である。