表題番号:2023C-291 日付:2024/04/04
研究課題無歪み画像圧縮のための画像生成確率モデルの機械学習への活用(モデルの階層化)
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) データ科学センター 講師 中原 悠太
研究成果概要
これまで無歪み画像圧縮のために開発してきた様々な画像生成確率モデルを機械学習に応用するため,様々な観点からモデルの階層的拡張を行った.

1. これまでは木構造に事前分布を仮定した確率モデルからデータ系列が生成されるという仮定のもと研究を行っていたが,木構造の事前分布のパラメータ(ハイパーパラメータ)に超事前分布を仮定することで確率モデルの階層を一つ増やす研究を行った.このモデルは直接的には離散時系列データを対象としているが,画像データにも応用可能である.この研究の成果は情報理論におけるトップカンファレンスである2023 IEEE International Symposium on Information Theory (ISIT)に採択された.

2. これまでは木構造の各葉ノードにデータを生成する確率分布が割り当てられるような確率モデル上で研究を行っていたが,各葉ノードがさらに潜在変数を有するという仮定を置くことで確率モデルの階層を増やす研究を行った.このモデルは直接的には時系列データを対象としているが,画像データにも応用可能である.この成果については,2023 IMS International Conference on Statistics and Data Science (ICSDS)で報告した.

3. これまで画像の生成モデルとして仮定してきた平面的自己回帰モデルでは分散パラメータを単なる未知変数として扱ってきたが,分散パラメータがより上位の未知パラメータと周辺画素の関数によって表されるという仮定を置くことでモデルの階層的拡張を行った.この成果については,第46回情報理論とその応用シンポジウム(SITA2023)で報告した.