表題番号:2023C-254 日付:2024/04/02
研究課題学習指導要領「情報Ⅱ」を内包した「情報Ⅰ」指導計画案
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 高等学院 教諭 八百幸 大
研究成果概要
まず「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 情報編」に記載されている、情報Ⅰと情報Ⅱの目標、内容、およびその取り扱いを精査することで、情報Ⅱの次の内容は情報Ⅰに内包できると考える。
・データの種類、単位、値の意味、収集、整理および整形方法、データ収集時のバイアスや入手元の違いによる信頼性を含めたデータ特性は、データリテラシーの基礎として難解な前提知識を必要としないため、授業内容として取り入れることが適切である。
・情報技術の発展と情報社会の進展を踏まえて、情報セキュリティ技術や情報倫理など情報社会の在り方について考察することは、現在進行形の話題として早期から取り上げることが可能である。
・情報システムにおける情報の流れや処理の仕組み、情報セキュリティを確保する方法や技術について理解することや、情報システム及びそれによって提供されるサービスについて、その在り方や社会に果たす役割と及ぼす影響について考察することは、プログラミングやデータの活用、WebAPIなどの利用と紐づけて扱うことができる話題である。

これらの考察を踏まえて、検定教科書における重要語句の具体的な調査を行った。この分析に関しては、既に相澤崇と小河智佳子による重要語句の種数に基づいた分析が存在するが、ここでは検定教科書の本文をテキストマイニングし、N-gramを用いて語句そのものだけでなく、その文脈も含めたより詳細な分析を試みた。しかし、テキストの量が膨大なため、この点に関する調査は現在も継続中である。

上記のことをもとにして、情報Ⅱの内容を情報Ⅰに組み込む形で、総合的な探究の時間内で実践してきた「最後の授業での振り返りアンケート」の記述回答部分を用いたテキストマイニングによるデータ処理と、その内容の解析を実際に生徒に行うことを実施した。